【09.11.05】 旭民報498号 市長選擁立見送り
谷口市政に対する評価と市長選挙擁立見送りについて
日本共産党は、市民の要求や願いを実現するために、市民の皆さんと力をあわせて運動に取組み、子どもの医療費の小学校3年生までの無料化や市営バスの運行が実現できました。
また、住民本位の市政を実現するため、市長選挙での候補者擁立を目指してきましたが、準備が整わず、今回の市長選挙での候補者擁立は見送ることになりました。市長選挙という、市政を問う絶好のチャンスをいかせず、市民のみなさんの期待に応えられないことを、まずお詫びいたします。
旭民報498号(pdf)
谷口市政に対する評価
●社会保障政策について
財政的にどれだけ社会保障施策を充実できるかは精査の必要がありますが、毎年指摘している高すぎる国保税については、国保税引下げのための繰入れは、ついに行われることがありませんでした。
介護保険利用料についても、低所得者でも必要な介護が受けられるよう、利用料の減免制度を拡充すべきですが、これも手をつけていません。
国保税は、算定方法の問題から所得が低くても世帯人数が多ければかなりの高額となります。介護保険も、介護サービスの利用率が低所得者層で低い傾向があります。
これら2つの例は、所得再分配によって格差を是正すべき社会保障制度によって、逆に格差を広げている現れであり、優先的に配慮すべき課題ですが、そこに全く手が出ていないことは、政治姿勢として大きな問題があると考えます。
●子育て支援策について
女性が子どもを育てながら働きやすい環境を整備することは、両性の共同参画からも重要な施策ですが、当市のようなベッドタウンでは、市の発展を考える上でも、とりわけ重要な課題です。しかし、保育園や学童保育の待機児対策などは、この間、問題が浮上してからの後追い策に終始しています。
待機児の解消が長らく解決できない状態は、子どもを産もうと考える心理を冷え込ませる要因にもなり、少子化問題を解決してゆく上でも、常に子どもを預けられる環境を作ることが急務です。大幅な定員増が必要です。
●平和行政の取組みについて
党市議団は、非核平和都市宣言など平和に関する施策をいくつか提案していますが、少額の費用で実施できる事業でも取組む姿勢が見られません。
市側の言い分として「国の専管事項」という答えが返って来ますが、現行憲法は地方自治優先とされていることからも、平和への取組みが可能です。平和行政に取組む姿勢がうすいのは、憲法に対する無理解があると思われます。
●地方自治・国との関係について
ここ数年で、地方自治の役割が重視される傾向になってきましたが、今の尾張旭市のように、国が出す方針を無抵抗に実行してゆく自治体ばかりでは、地方自治実現の道のりは遠いでしょう。
例えば、市は、定員適正化計画を率先して行っていますが、最前線で住民と接する地方公務員の定数削減は、住民サービスの低下を招きかねません。指定管理者制度を用いて、本来、公が担うべき保育園にも指定管理者制度を導入してしまったことも誤りです。これらは地域住民の生活よりも、国の言う方針に重きを置いていることの現れだと思えます。
●特に問題視している2つの条例について
09年6月議会で制定された「良好で快適な生活環境を確保する条例」では、印刷物の配布に規制を設けました。
印刷物の配布規制については、言論弾圧につながりかねない内容だと考え、大きな危惧を感じます。また、多重債務や生活苦に対する相談案内など、1枚のチラシが命を救うこともあるのに、そうした思慮も欠落しています。
08年12月議会で改正された「情報公開条例の改正」では「情報公開請求手数料」が新たに設けられました。新聞報道でも論外との指摘を受けていますが、知る権利に対する無理解があります。
これら2つの条例は、市民生活にとって、今のところ実害はほとんどないと思われますが、考え方として大きな誤りであり、ここでも政治姿勢が問われています。
●おわりに
これまでの自公政権のもとで市民の中にも格差と貧困が広がり、雇用、生活、子育て、営業の不安や苦難が広がっています。
日本共産党は、このような時こそ、自治体が住民福祉の増進という本来の仕事を進める立場に立ち、市民の苦難を軽減し、国の悪政に対して防波堤の役割を果たすことが重要だと考えます。
国政では、国民の政治を変えてほしいという願いが、自公政権を退場に追い込み、新しい政治への変革が始まっていますが、現、谷口市政については、上記5項目の問題を指摘するとともに、尾張旭市でも新しい政治へ前進するよう、市民のみなさんとともに要求実現のためにがんばる決意です。
2009年11月5日
日本共産党尾張旭市委員会
日本共産党尾張旭市議団